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バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

バックパッカーの旅Ⅰ(東京~アテネ)

移動日

               ≪九月十九日≫     ―壱―

  寝苦しくて、今日も寝覚めが悪い日曜日の朝。
 ボーイに言って、モーニングを取る事にした。
 朝のチャエは美味い。
 宿のマスターは機嫌が良いのか、ニコニコしながら”もう発つのか?”と話し掛けてきた。
 ターバンを巻いた、人の良さそうなおじさんである。

       俺 「ああ!チェック・アウトしたいんだ。」

 バックパックを担いで、ニューデリーの駅へ出る。
 33番窓口にて切符を購入する。

       俺 「One Person 、to Amritsar!」
       駅員「20.7Ru(700円)だ。」

 プラットホームへ出た。
 3番のプラットホームの長椅子に腰を降ろして、アムリッツア―行きの汽車を待つ。
 掲示板に告示されているから、もう来るだろうと思って待つが、まるで来る気配がない。
 それでも駅に集まってくるインド人を見ていると、時間が経つのがはやいせいか、退屈する事はない。
 浮浪者のような人、金持ちらしい人、ターバンを巻いた人、髭をいっぱい蓄えた人、それこそ様々な人間が、同じ社会の中に溶け込んで生活しているのだから不思議な気がする。

  もう十一時だ。
 日曜日のせいか、汽車の出入りが少なく・・・・待つこと三時間が近くなってきた。
 正午、12:00前、二本のアムリッツア行きがホームに入ってきた。
 二番線と三番線に、それぞれ汽車が滑り込んで来た。

 二番線の列車に乗り込み、12:30ニューデリーの駅を、静かに離れていく。
 列車の中は、毛唐の旅行者が多い。
 途中、金持ちらしい家族が同じシートに乗り込んできて、子供がはしゃぎまわっている。
 甘やかしているのか、したい放題で両親は手を焼いているみたい。

  一駅でその家族が下車すると、今度はターバンを巻いたシーア派らしい学生が、目の前に座った。
 シーア派の総本山が目指しているアムリッツアのゴールデン・テンプルに置かれている。
 列車はゆっくり走っている。

                   *

     New Delhi ~Subzi Mandi ~Narela SriPat~Bhodari Majiri~Panirat Jn~Karnal~Kuruk Shetra~Ambara~Rajpura~Ludhiana~Jullundur~Amritsur

                   *

  十一番目のアムリッツアの駅に着く頃には、もうすっかり外は暗くなっていた。
 時計を見ると、20:30を指していた。
 もう夜も遅いので、客引きの世話になり、一泊6ルピー(200円)の宿に入り、ライスとカレーで夕食を済ませる。
 シャワーを浴びて、ビールをグイッ!と飲み乾すと、後はベッドにバタン・キューだ。
 やっと舌がカレーの辛さに慣れてきたのか、今日のカレーはさほど辛く感じなかったみたい。

  食事とビールで、宿泊代と一緒(6ルピー≒200円)。
 今日は完全に移動日。
 列車の一日だった。
 とにかく広い。
 疲れた。
 ビールと列車の旅で、今夜は良く眠れそうだ。


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